8.新しいマジックを考える楽しみ

マジックを見せるときの快感の、最大のものをあげるとすると、ステージでの大拍手、そしてクロースアップでの大喚声といえるでしょう。しかし、それにもうひとつつけ加えるとすれば、新しいマジックをあなたが考案して、それを知識豊富なマニアに見せて、不思議がらせてみせることでしょう。そこまでいかなくても、自分で考案したマジックを自分で演じてみせるというだけでも、その楽しさは格別です。ただし、マジックの世界はたいへん奥が深く、長い歴史があるので、創作できるレベルに達するにはかなりの知識と経験が必要になります。いくら自分が考えたと思っても、すでに別の人が考えていたのであればその創作は意味がありません。これまでに存在するマジックに対してかなりの情報を把握しておくことも必要です。

マジックの創作にもいろいろあります。トリックそのものを作り出すことは、いわば発明の一種といってよく、テンヨーの製品の多くは、この種の創作に近いものです。しかし、トリック以外にも、演出上、演技上の創作といったものもあります。従来からある現象でも、演出を変えるだけで、まるで違うマジックに生れ変わることがありますし、1枚のトランプを空中から出すだけにしても、その指のしぐさ、衣装や音楽とのコンビネーションによって、まるで違う世界を描き出すことが可能です。トリックと、それをとりまくすべての要素がからまって、マジックは初めて真のエンタテイメントになるのです。

製品紹介のコーナーでは、テンヨーのスタッフがどのようなきっかけで、そのマジックを考案するに至ったかということも紹介していますので、参考にしてください。



▲“プロフェッサー”と呼ばれ、数多くの傑作を残した故ダイ・ヴァーノン氏。